当社の研修などで現れた「お仕事」、「ビジネス」の用語を掲載。適宜、追加されて行きます。ちょっとしたチェックにご活用ください。 5S 5Sとは、各社員が職場環境に対して取り組むべき5つの事柄のことで、業務管理の原則である。それぞれの意味を理解するだけでなく、実践、継続することが重要とされる。5Sは5つのSの頭文字を引用したもので、「整理:必要な物と不要な物を区別し、不要なものは捨てること」「整頓:必要なものの置き場所や置き方を決めること。次に使いやすくすること」「清掃:ゴミや汚れのない状態を保つこと」「清潔:整理・整頓、清掃の継続を徹底し、職場環境と社員一人ひとりが清潔感を維持すること」「躾け(しつけ):決められたルール・手順を必ず正しく守る習慣をつけること」である。 5W3H 仕事のコミュニケーションの基本である「報告・連絡・相談(いわゆる、ホウレンソウ)」で、わかりやすく要点を整理するフレームに「5W3H」がある。「5W3H」とは、「What(要件:何を、何が)」「When(期日・時間:いつ、いつまでに)」「Where(場所:どこから、どこへ)」「Why(目的、理由、原因:なぜ、どうして)」「Who(主体者、対象者:だれが、だれに)」「How(方法、手順:どのように)」「How much(価格、費用:いくら)」「How many (量:どのくらい、どの程度)」のことである。 OJT OJTとは、(オン ザ ジョブ トレーニング:On the Job Training)の略称で、オージェイティーと読む。「具体的な仕事の遂行を通して訓練・育成をすること」を意味する。社員研修、自己啓発(通信教育やeラーニング)とともに代表的な人材育成方法とされている。OJTでは、「①指導者がやってみせる→②指導者が説明する→③指導相手にやらせてみる→④結果を見て、補修指導する」を指導相手ができるようになるまで繰り返して実施される。また、無計画なOJTにならないよう「誰を、誰が指導して、いつまでに、どの業務を、どのレベルまで育成するのか」を前もって明確にして取り組む必要がある。 PDCAサイクル PDCAサイクルとは、Plan(計画)、 Do(実行)、 Check(評価)、 Act(改善)の頭文字を取ったもので、仕事を円滑に進め、また仕事を継続的に改善するプロセスを意味する。「サイクル」と名称に含まれるのは、螺旋を描くようにサイクルを重ねる、継続的に仕事を改善することにつなげるためである。具体的には「①Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして計画を作成する→②Do(実行):計画に沿って仕事を行う→③Check(点検・評価):実行が計画に沿っているかどうかを確認する→Act(処置・改善):計画に沿っていない部分を調べて処置をする」ことである。 SWOT分析 SWOT分析(SWOT analysis)とは、自社や自事業、商品やサービスについて、内部環境(社内)の「強み (Strengths)」、「弱み (Weaknesses)」と外部環境の「機会 (Opportunities)」、「脅威 (Threats)」 を整理し、新たな新事業、拡販策、若しくは今後の課題の抽出等を検討するツールの一つ。もともとは1960年代から70年代にスタンフォード大学で、アルバート・ハンフリー氏により構築された。 改善(カイゼン) 改善(カイゼン)とは、職場や作業の見直しの活動のこと。一般に言う「改善(例、生活習慣の改善)」と職場の「改善」の意味を区分するために「カイゼン」とカタカナで示すこともある。整理・整頓のようなものから作業効率向上や安全性確保など多肢にわたる。職場や作業については、直接作業をする人が最もよくその状況を把握しているため、「カイゼン」では作業者が中心となって問題を見つけ、知恵を出し合い、現場が起点となり問題解決して行くことに特徴がある。なお、この概念は海外にも「kaizen」として広まり、特にトヨタ自動車の生産のしかたの(生産方式)が有名となった。 可視化 可視化(「見える化」とも言う)とは、見えないことを見えるように図、表、グラフなどにすることである。例えば、どの業務に何時間費やしたかは、人の目には見えないことであるが、業務の区分で表を作り、費やした時間の記録を書くことは可視化である。代表例は、業務の流れを可視化する「プロセスマップ」、散乱する意見や声をまとめ、その分類を可視化する「親和図(KJ法)」がある。可視化する習慣があるかないかは、企業・組織の問題解決の力を左右する。抽象的なまま問題を放置するか、可視化して分析しているかで大きな違いがあるためで、多くの企業で可視化を推進する取り組みが見られる。 共通目的 共通目的とは、組織の全員が共通して持つ目的のことである。どういった「共通目的」を持つかはは、各企業・組織によって異なるが「全員が共有する」ということに最大の意味がある。この「共通目的」に向けて「協働する(共に働く)意志」を持ち、「コミュニケーション」することで組織が組織として効果的に活動できるとされている。このことから「共通目的」「協働の意志」「コミュニケーション」は『組織の三要素』と呼ばれ、組織にはどれも欠かすことができない。自分自身が所属する組織の目的(更には数値による目標も含めて)を常に正しく言えるかを確認し、またコミュニケーションして再確認することが大切である。 コンピテンシー コンピテンシー(competency)とは、高い業績・成果を出す人の行動や特性のこと。具体的には、期待される業績・成果を安定・継続して達成している人材に、一貫して見られる行動・態度・思考・判断などの傾向や特性を言葉にしたものである。職場において期待する行動や特性として示されることも多い。コンピテンシーは、自分自身の現状や成長具合を測定する尺度でもあり、定期的にその文言と照らして測定、振り返り、今後のあり方を考える物差しとして活用される。なお、このコンピテンシーと言う言葉は、デイビッド・C・マクレランド(心理学者)によって1970年頃提唱され、90年頃から日本で導入され始めた。 スタンス スタンスの一般的な意味は「姿勢」や「立ち位置」のこと。人材育成などの意味では、仕事に向かう姿勢、心構え、熱意といったことを示している。人が能力を発揮(=行動)する土台である。人事評価などの社内での使い方だけでなく、社会、お客様、関係先との対応などでも、広い意味でこのスタンスという言葉が使われることがある。社会やお客様への対応の不十分さや、更には社会に起こる企業不祥事の根本原因として、そのあり方が指摘されることもあり、世論一般に企業全体のスタンスが注目されることも少なくない。 正早安楽 正早安楽(せいそうあんらく)とは、「より正しく」「より早く」「より安く」や「より安全に」「より楽に」や「より楽しく」の漢字を引用したもので、業務改善で求める成果のことである。逆に言えば「より正早安楽」になりそうな業務があるのであれば、それは業務改善の対象であり「正早安楽」に向けた検討、取り組みに着手しなくてはならない。また、業務改善と言う大きな試みでなくとも、お客様や社員、関係先に「ちょっとした正早安楽」を心掛けるだけでも相手との距離が近づき、関係向上につながることになる。 費用対効果 費用対効果とは、投入する費用に対して得られる効果のこと。複数の案を比較する場合の重要な検討方法である。費用とは、投入するお金の他、時間や人数など(広い意味でのコスト)も含む。また効果とはその時々の課題によって異なるが、後に検証しやすいよう「どういう効果を求めるのか」を予め定義しておくことが必要である。その他、類似する言葉に「投資対効果」や「生産性」がある。何を投入するかや見る時間の長さの違いだけで、これらは全て「効率」を意味している。目先の費用対効果、効率だけで全てを判断することは逆に危険でもあるが、この視点で仕事をチェックし続けることは大切なことである。 ミッション ミッション(mission)とは、任務や使命のこと。コミットメントシートに「ミッション」として自身の担当すべき「使命」や「業務」を記入しているよう、まさにその意味・用法のとおりである。「ミッション」は、社員に対してだけでなく組織やプロジェクトでも用いられる言葉で(例、A事業のミッション)、また作戦の意味も含まれる(余談だが、映画の題名にもなっている)。ミッションは「重大、かつ責任をもって果たすもの」であり、社員、組織の何れが用いる場合も意志として示されるものである。なお、類似する言葉にビジョンがあり、それはミッションよりも更に将来のこと、望む理想の姿を示している。 目標による管理(目標管理) 目標による管理とは、個々人が自分の目標を設定し、上司・会社と共有し、その達成に向けて自分自身を管理する方法のこと。主体的に自律して取り組み、また創意工夫をしながら目標達成に向かって行くことに、この方法の意義がある。「目標による管理」では、目標を自分を管理するため、また自分を成長させるための「手段」と位置付けている。一般に「目標管理」と略されて言われることも多いが、正確には「目標(設定)と自己統制による管理」の考え方に由来して、このように呼ばれるようになった。1950年代に米国のピーター・ドラッカー(経営学者)が提唱した。 目標連鎖 目標連鎖(もくひょうれんさ)とは、経営目標から担当者の個人目標までが、整合してつながっている状態のこと。目標設定する場合は、目標連鎖となるように検討する。目標連鎖となるためには、社員は、全社目標や自分が所属する組織(部・事業部)の目標をよく把握しておくことが大切である。また、自分の業務の課題を考える場合も同様で、全社の課題、所属組織の課題とつながるように自分の課題を設定することが必要である。目標連鎖となるよう強く意識して取り組むことは、的確な目標・課題設定をする上でも、自分と組織の一体感を認識する上でも重要なことである。 技能伝承 技能伝承とは、個々の熟練者、経験者が培ってきた技術やノウハウを次の世代や後輩たちに伝えることを意味する。一般に個々人の技能は、経験により培われた勘や感覚(これを「暗黙知」と言う)に基づくことが多いが、これを相手のわかりやすい言葉に置き換え、理解を促し、身に付けさせる取り組みが必要になる。例えば、パン屋の主人が「適度な焦げ目をつける」という感覚を「濃い目の黒い線が3本出るように」と具体的な表現(これを「形式知」と言う)に置き換えないと技術は伝わらない。伝承者は常に相手にわかりやすい具体性にこだわることが必要になる。 協働 協働(「共同」ではなく「協働」)とは、何らかの目標を共有し、共に力を合わせて活動することを意味する。社会、会社、家族など、どの形態であっても、2名以上の人が集まり(これを「組織」と言う)、共有する目標がある場合は、協働なしにその目標を達成することは不可能とされる。また協働のためには人と人を強く、確実につなぐ取り組みが必要で、それがコミュニケーションに該当する。よって、「組織」が共通の目標を達成するためには、十分なコミュニケーションを通じた協働に取り組むことが必要不可欠である。 整理・整頓 整理・整頓は、仕事の質を決める重要な取り組みであり、多くの企業で「職場環境の維持・改善のための基本」とされている。言葉の意味は、「整理整頓」と一括りにされがちだが、正確には「整理」と「整頓」では意味が異なり、「整理」とは、同じような物でまとめて分類すること、また、不用と判断された物を捨てること、「整頓」とは、決められた物を決められた場所に置く、使う頻度に合わせて置く位置を決めるなどして、使う人が違っても次に使いやすくすることである。つまり、次に使いにくいと自分や他の人が感じた場合は、「整頓」がなされていなかったことになる。 報連相 報連相は、組織活動におけるビジネス・コミュニケーションの一つで、意味は、「報告」:指示に対して経過や結果を知らせること、「連絡」:関連する人たちに共通して把握・認識すべき事柄を伝えること、「相談」:自分で判断できない、不安なことなどにアドバイスや指示を仰ぐことである。「報連相」の目的は「組織に必要な情報がきちんと流れるようにすること」で、そのためには「報・連・相」のどれも欠くことができない。また、すぐに、こまめに、そして自分から起動する程(自発的な程)、効果的である(遅い、頻度が少ない、聞かれてからの「報連相」は効果が低く、意味をなさないこともある)。